株式会社CINRAを退職しました。


4月30日をもって、新卒から3年間勤めた株式会社CINRAを退職しました。

私の中では、ずっと前に決まっていたことなので、
改めて表明することに違和感すら感じるんだけれども、
一昨日、昨日と会った人にそう伝えたら、
心底びっくりされるのです。

そりゃあもう、
毎日毎日毎日ずーーーっと、CINRAの楽しさを伝えて喋って書きまくっていた自分なので、
それが全部嘘だったんじゃねえかあいつ…と
広報として分厚い仮面かぶって、楽しそうに振る舞う職務を遂行してただけなのか…と
そう思われても仕方ないかもしれない。

でもたぶん、そんな会社なら1年も耐えられずに文句言って辞めてただろうと思います。

そうでなくとも、会社を辞めたい理由なんて、誰にでも、いくらでもあるもんでしょう。

私も何回もあった。
初めての東京が辛いとか、
希望の職種と配属が違ったとか、
Web制作の世界は終わりが見えないとか、
手を変え品を変え、従業員である以上、
何かに理由をつけては、「辞める?」というのは頭をよぎってしまうもんじゃないでしょうか…。
(意識の低い意見、誠に恐縮ですが。。)

でも、仕事に対して、組織に対して、小さな疑問が浮かぶ度に、
その疑問を仲間に、上司に、社長に、直にぶつけることが出来た。
1つ1つの疑問を丁寧に説明してくれたり、
ときは大きすぎる改革をしたり(それがビジネス的な後退であったとしても)。


おかげで、「辞めたい」ってネガティブな気持ちを実行に移すことはなかったし、
逆にどんどん変わっていく組織の中で働くことは、本当にドラマチックな体験だった。

3年間で原宿、恵比寿、渋谷と3つのオフィスを経験したのも、
社員が3倍に増えて、入社時は想像もしていなかった大きなお仕事に関われたことも、
どんどんパワーアップするインターネットビジネスの最前線でプレイヤーになれたことも、
会社に存在すらしなかった「広報」という職に就任できたことも、
自分じゃ達成し得ない領域に、後から来た凄い仲間がどんどんトライしていたことも。



ぜんぶ、この3年間で会社が生き物みたいに変わっていったから。
というか、みんなで、変えていったから。



でも今回はじめて、ポジティブな感情で「辞めたい」と言ってしまった。
嘘偽りなく、どうして辞めたいのか、どうして次に行きたいのか、
新卒入社した私をゼロから育ててくれた上司にぜんぶ話した。
実際、出来てないことも、果たせてないことも多すぎて、面目なさも勝りながら。。。



身勝手な決断に言葉を失ったかもしれないけれども、
最終的に上司は「お互いの未来が明るい気しかしない」と書いていたから、
私はそれを読んで、それまで断固として1ミリも出さなかった涙が止まらなくなっちゃいました。



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CINRAを辞めて、転職もせず、独立してひとりぼっちになる訳なのですが。
なにすんの、という話なのですが。



「あなたはアートが好きなの? ビジネスが好きなの?」



この6年くらい、もうずっと問い続けられてきたけれども、
その既存の「分野」という切り分けは、ぶっちゃけ今はどうでもいいんです。

興味があることを挙げるとすれば、「滞留しきった現状の解決」と「予想を超えた体験の提供」に切り込んで、しっかり自分の言葉で伝えること。
その中身が時にアートと呼ばれたり、ビジネスとされたりする。からもう、どっちかわからん。先生ごめんなさい。



先日見に行った「六本木ダークナイト」でのトーク中に、真鍋大度さん
「昔ならばメディアアーティスト目指してたような子たちが、いまはスタートアップ立ち上げてるよ」と言ってた。

その時代の仕組みによって、熱量の集中する場所は移り変わる。
「俺はビジネスで革命を起こす!」と言っている平成元年生まれも、昭和50年に生まれていれば
メディアアーティストとして世界を変えることを信じて疑わなかったかもしれない。
分野の棲み分けって、それくらい曖昧だ。


人はわかりやすく美化された歴史に恋するし、
洗練されていない現在はきっといつだってカオスだから
これから何が盛り上がって歴史になるかだなんて、
己の嗅覚や肌感を信じるか、あとは流行りのビックデータを紐解くくらいしか
頼れるものはないんじゃないかな。



何が言いたいかっていうと、自分の肩書きなんて今決められないし、
「やりたいこと」なんて、コンパクトにまとめられない。



と言いつつも、きっとここまで読んだ両親や周囲の友人から「26歳にもなってお前は…」と呆れてつっこまれまくりそうなので端的に説明しておくと、インターネットを中心にした感動の波を生み出すことが役目だとは思ってる…んです。

その内訳はSNSからの効果的なアプローチだったり、
オウンドメディアのプランニングや編集だったり、
Webプロモーションの戦略づくりとか、
イベントの仕切りも、取材記事も、
施策としてはいろいろあります。やります。できます。がんばります。(=お仕事ください!)



こんな有象無象、大小さまざまな感情や手段をひっくるめて、
「私が嗅覚に素直に進んでいったら、未来にめちゃくちゃ希望が見えてると思うんです!思いませんか?!」だなんて前のめりに言い出して
「お互いの未来が明るい気しかしない」と送り出す上司がいるだなんて、最高にブラック企業かもしんないな。




はじめての個人事業主になったのは5月1日。(メーデーですね。)
ちなみに屋号は何もつけていませんが…(ひとりで屋号ってさみしいなって…)。

今はちょっとアドレナリンが出すぎて、寝ながら夢で仕事しちゃうくらいの緊張っぷりなのですが
インターネットの先の、そこに暮らすひとの心に
しかと喋りかけられるように、がんばって生きたいと思います!


thx_cinra

新たな名刺はKIGIのちひろさんに作っていただきました。
ありがとうございました!

お仕事のご連絡、ご相談はこちらからぜひ。。

shiotanimai(at)gmail.com
http://twitter.com/ciotan

では、改めまして。
今後ともによろしくお願い致します!

株式会社CINRAのみなさん、そして仕事を通してお世話になったクライアントさん、パートナーさん、Webを使ったり、イベントに来てくれたり、記事を読んだりしてくださった、たっっっくさんのみなさま、本当に本当に本当に、ありがとうございました!!!